6-2-1. 市販のPCR検査キット
検体
上気道由来検体(鼻咽頭拭い液)又は下気道由来検体(喀痰もしくは肺胞洗浄液)
保存条件
48時間以内に採取した検体を輸送できない場合は-80℃または-20℃で凍結保管
7日以内であれば-18℃以下の保管で安定であることを確認
7日を超えて保管する場合には-80 ℃で凍結保管
判定基準
コントロールのβアクチンのCt値が32サイクル以下でかつ新型コロナウイルスのCt値が38サイクル以下の場合は陽性、新型コロナウイルスのCt値が38サイクルよりも大きく40サイクル以下の場合は判定保留(再測定を推奨)、40サイクルよりも大きい場合は陰性(未検出)
βアクチンのCt値が32サイクル以上または未検出の場合は再測定を推奨
*PCR検査が陰性でも新型コロナウイルスの感染を否定するものではありません
陽性一致率:100%(10/10)
陰性一致率:100%(15/15)
全体一致率:100%(25/25)
- 臨床診断に対するRT-PCRキットの診断精度
感度:86.4%(89/103)
特異度:100.0%(308/308)
一致率:96.6%(397/411)
臨床診断の結果は、次世代シーケンサー(遺伝子配列を解析する機器)により新型コロナウイルスの遺伝子が検出された場合に陽性と判定しています。臨床診断で陽性となった103検体のうち、14検体がRT-PCRキット陰性(偽陰性)と判定されました。
RT-PCRはシーケンサーで全ゲノムを解析する検出方法とは異なり、PCRにより特定の領域を増幅してウイルスのRNAを検出しています。そのため、PCRで増幅する領域が操作中に分解され、断片化されてしまったことにより、PCR増幅されず偽陰性となってしまったと考えられます。
引用文献: