とある博士のパパさん日記

今後は主に出産・育児に備えた記事を書く予定です。

とある博士の育児日記 #2(葉酸サプリメント)

受精後に赤ちゃんが成長するためには、妊活開始前からしっかりと栄養をとることが大事です。その中でもとくに重要な栄養素が『葉酸(ようさん)』です。

葉酸は、新しい赤血球を作ったり、赤ちゃんの成長に必要な細胞分裂(DNAの合成)を助けるなど、胎児の成長にとって欠かせないとても重要な栄養素の一つです。

葉酸とは?

・ビタミンB群の一種
・水溶性のビタミン
神経管閉鎖障害のリスクを軽減

ビタミンB群には葉酸の他に、ビタミンB1・B2・B6・B12、ナイアシンパントテン酸ビオチン8種類が含まれます。

葉酸を含むビタミンB群は、水に溶けやすい水溶性ビタミンです。そのため、一度にたくさん摂っても余った分は尿に溶け込んで体外に排出されてしまいます。葉酸は、貯めておくことができないため、毎日摂取することが大切です。

また、葉酸を妊娠前から十分に摂ることで、お腹の赤ちゃんの脳や脊髄(せきずい)の発達異常である「神経管閉鎖障害」のリスクを減らすことが期待されます。

図1. 葉酸の化学構造式

葉酸が多く含まれる食べ物は、ほうれん草、モロヘイヤ、アスパラガス、ブロッコリー、枝豆、レバー、いちごなどです。ただし、葉酸は調理時や長期間の保存によって酸化され、壊れてしまいます。食物から摂取する際には、新鮮な生野菜や果物から摂る必要があります。

もしくはサプリメントから効率よく摂取することも可能

赤ちゃんの神経系は妊娠初期から作られ、生まれつきの先天的な神経系の発達異常は妊娠7週間頃までに起きます。7週頃は、やっと妊娠がわかる時期なので妊活中から毎日、葉酸を摂取しておくことが大切です。また、妊娠後もきちんと摂り続けることが厚生労働省より推奨されています。

葉酸は1日にどのくらい摂取すればいいの?

1日あたり400μg(マイクログラム)
妊娠1か月以上前から妊娠後3か月の期間は毎日摂取
サプリメントであれば1日数粒で簡単に摂取可能

例えば、食物から葉酸400μgを摂取するには、毎日キャベツ半玉または茹でたほうれん草のお浸し400 gが必要です。食物からの吸収効率は悪く、たくさん食べる必要があり、毎日しっかりと葉酸を補充することは困難です。

DHCの葉酸サプリメントであれば1日1粒で摂取可能

厚生労働省も妊娠前1か月から妊娠後3か月の期間は、食事に加えてサプリメント葉酸を補充することを推奨しています。

必要な栄養素は葉酸だけ?

・鉄分
・カルシウム
・ビタミンC
亜鉛

葉酸は、妊活・妊娠中にとても重要な栄養素ですが、葉酸だけを摂取していれば良いといわけではありません。葉酸に限らず、栄養素はお互いに助け合って働いています。そのため、1つの成分だけをたくさん摂っても、効率よく吸収・活用することはできません。

例えば、葉酸だけを摂取していても他の栄養素が不十分だと効率よく吸収されず、無駄になってしまいます(図2)。必要な栄養素をバランスよく摂取することが大切です。

エレビットであれば葉酸、ビタミン、鉄分、カルシウムをバランス良く摂取することができます。

 

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図2. 栄養素の摂取バランス

鉄分

・主に血液(赤血球)をつくるのに必要な栄養素
・妊婦の赤血球量は20~30%増大
 妊娠中は赤ちゃんの分も含め、通常の2倍が必要
・妊娠中の貧血対策(鉄欠乏性貧血)にも重要

多く含まれる食品:貝類、レバー、豆類、ナッツ類、海藻類 など

カルシウム

妊娠高血圧症の予防
日本人女性全体に不足しがちな栄養素
骨粗鬆症の原因

多く含まれる食品:乳製品、魚介類、大豆製品、ナッツ類、海藻類 など

妊娠中は、胎児の骨を作るために母体のカルシウム量が減少し、骨粗鬆症の原因となります。
カルシウムの吸収にはビタミンD、骨への定着にはビタミンKやマグネシウムのサポートが必要です。ビタミンD、Kやマグネシウムと一緒に摂取すればさらに効果的です。

亜鉛

・動物性食品に多く含まれる栄養素
・現代人に不足しがちなミネラルの一種
葉酸の吸収をサポート
胎児の成長促進
免疫力アップ
生殖機能の老化予防(別名:セックスミネラル

多く含まれる食品:魚介類、肉類、豆類、殻類など

亜鉛は、葉酸の吸収をサポートし、両方を摂取することで妊活に良い相乗効果が期待できます。
初乳には亜鉛が多く含まれ、赤ちゃんの免疫力維持に大きな役割を果たしています。
また亜鉛は、男性にとっても女性にとっても妊活において重要な栄養素です。排卵や着床に関係する多くのホルモンに必要不可欠な成分で亜鉛不足は妊娠しにくくなる他、男性にとっても亜鉛不足は、精子量の減少や無精子症、運動率の低下、インポテンツなどの原因でもあります。

亜鉛は『セックスミネラル』、妊活において重要な栄養素

ビタミンC

葉酸のサポート
亜鉛吸収をサポート
・コラーゲンをつくるのに必要な成分
・抗酸化物質

多く含まれる食品:赤ピーマン、ブロッコリー芽キャベツ、キウイ、いちご、柑橘類など

ビタミンCの不足は、倦怠感、疲労感、気力低下の原因の一つです。また、ビタミンCが欠乏すると、血管がもろくなり、出血しやすくなります。妊娠中や授乳中は赤ちゃんに供給する分を考慮し、普段より多めにビタミンCを摂取することが推奨されています。

摂取してはいけないモノ

・喫煙
・飲酒
・カフェインの過剰摂取

喫煙は、

流産のリスクが2倍
早産のリスクが1.5倍
低出生体重児のリスク増大

アルコールは、

・大量の飲酒は葉酸の吸収および代謝を阻害
赤ちゃんの脳の発育を阻害
・胎児性アルコール症候群のリスク増大

カフェイン(コーヒー、紅茶、緑茶)の過剰摂取は、

・妊婦の貧血
胎盤への影響
・出産時の低体重のリスク

コーヒー・紅茶は1日に1杯くらいなら問題ないとされています。

最後に

葉酸を含めて全ての栄養素(サプリメント・食品)は、「それを食べれば絶対妊娠する」といった妊娠率を上げるものではありません。あくまでも受精後の赤ちゃんの成長を補助するための栄養素の一つです。葉酸を含め、バランス良く摂取することが大切です。

一方で、赤ちゃんのためにと食事を摂りすぎてしまうことには注意が必要です。体重が増えすぎてしまうと妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病、巨大児、肩甲難産などの様々なリスクが生じてしまうので注意しましょう。

引用文献

  1. 厚生労働省妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針~妊娠前から、健康なからだづくりを」令和3年 3月