3-1. 新型コロナウイルスの感染経路
3-1. 感染経路
COVID-19は主に、感染した人からの呼吸（飛沫感染）、または密接な接触（接触感染）によってヒトからヒトへと広がっていると考えられています。感染した人はしばしば病気の症状を呈しますが、症状のない人（無症状の人）でもウイルスを広めるかもしれません。
COVID-19は新しい感染症であり、どのように感染拡大し、疾病が重症化するかは調査中です。
3-1-1. ヒトからヒトへの感染（飛沫感染）
COVID-19は主にヒトからヒトへ広がっていると考えられています。
- ヒトとの接触距離が近い（約1.8 m以内）。
- 感染者の咳やくしゃみ、または会話を介した呼吸（飛沫）によって感染する。
- 飛沫は、近くにいる人の口または鼻に付着し、肺に吸収される危険性がある。
- 最近の研究では、COVID-19症状を呈さない患者からも感染する可能性が示唆されている。
約1.8 m以上離れて人と接触することがCOVID-19の感染拡大を防ぐ上で非常に重要となります。
3-1-2. 接触感染
ウイルスが付着した表面または物体に触れ、その手で自分の口や鼻、目に触れることにより、COVID-19に接触感染する可能性があります。まだ調査中ですが、この接触感染がCOVID-19の主な感染経路であると考えられています。
接触感染を防ぐためにも石鹸と水で頻繁に手を洗うようにしてください。石鹸と水が利用できない場合は、アルコールなどの手指消毒剤を使用してください。また、頻繁に触れるドアノブなどの表面は定期的に清掃してください。
3-1-3. COVID-19はどれほど簡単に広がるか
ウイルスがヒトからヒトへどれほど簡単に広がるかは、ウイルスの種類によって異なります。麻疹は非常に伝染力が強いですが、他のウイルスはそれほど簡単には広がりません。もう一つの要因はヒトからヒトへ止まることなく広がるか、ウイルスの伝播の持続力です。
COVID-19はヒトからヒトへと非常に簡単かつ持続的に広がっています。インフルエンザウイルスよりも効率的に感染拡大していることが推測されていますが、麻疹ほどの伝染力はありません。
2003年に流行したSRASコロナウイルスは世界の26か国で8,098人に感染拡大し、死亡率は9%でした。一方、新型コロナウイルスは2020年4月24日の時点では、213か国でおよそ260万人に感染拡大していますが、致死率は6.9％です。これは新型コロナウイルスの伝播力がSRASコロナウイルスよりも高く、新型コロナウイルスのRBD領域におけるSタンパク質の遺伝子変異が原因により、ウイルスの伝播能力を高めたと推測されています（2）。
引用文献：
