とある博士のパパさん日記

今後は主に出産・育児に備えた記事を書く予定です。

4-2. 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する消毒効果について

 ドイツの研究者らは、WHOが推奨するアルコールベースの手指消毒剤(消毒剤AとB)とドイツの研究者らが独自に配合を変更した消毒剤(CとD)を用いて、コロナウイルスに対する消毒効果を調査しました(1)。

 その結果、エタノールおよび2-プロパノールで30秒消毒することでコロナウイルスを不活化できることを実証しました。

実験方法

 人工的に増殖させたコロナウイルス(COVID-19)に、各消毒剤のエタノール濃度(%)または2-プロパノール濃度(%)を変えた消毒剤を30秒暴露した後、ウイルスの力価を測定しました。

結果

 WHOが推奨する80%エタノールの消毒剤Aと配合を変更した消毒剤Cはウイルスを効率的に不活化させることに成功しました。また、消毒剤AとCのエタノール濃度が40%でも依然としてウイルスに対して効果的であることが確認されました。配合変更した消毒剤Cは、新型コロナウイル(COVID-19)、SARS、MERS、BCoV(牛コロナウイルス)すべてのウイルスに対して同程度の消毒効果が確認されました。

 75% 2-プロパノールの消毒剤Bと配合変更した消毒剤Dもウイルスを不活化させ、2-プロパノールが30%の濃度でもウイルスを不活化できることが実証されました。配合変更した消毒剤Dも新型コロナウイル(COVID-19)、SARS、MERS、BCoV(牛コロナウイルス)すべてのウイルスに対して同程度の消毒効果を示しました。

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 市販エタノール消毒剤Aと2-プロパノール消毒剤Bでも、30秒の消毒でウイルスを不活化できることが確認されました。また30%以上のエタノールまたはイソプロパノールでウイルスを完全に不活化できることが実証されました。

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日本のフマキラー株式会社も新型コロナウイルスを99.9%以上除去できることを実証した3製品を販売しています。

引用文献:

  1. Emerging Infectious Diseases., 2020, 26(7).