とある博士のパパさん日記

今後は主に出産・育児に備えた記事を書く予定です。

7-4. 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するドイツの勧告

臨床疾患パターン

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の主な特徴として、発熱と乾いた咳を呈します。患者の81%は軽症で、14%が重症、残りの5%が重篤となります。重度の呼吸困難(呼吸数:>30回/min)および低酸素性呼吸不全を伴う重度の呼吸困難は、一般的にICUへ入院します。この段階で、両側の肺浸潤が画像でしばしば確認されます。重症の患者は、ARDSまたは細菌の重複感染および敗血症性ショックを発症する可能性があります。これらの患者に見られるさらなる合併症は、急性腎不全だけではなく、心筋機能障害および不整脈です。

 最初の症状が現れてからICUに入院するまでの平均は10日です。

検査項目の変化

 COVID-19患者の80%には明らかなリンパ球の減少が確認され、その内の3分の1には白血球減少が伴いました。ほとんどの患者でプロカルシトニンはレベル正常でした。ただし、細菌の重複感染により大幅な増加を引き起こす可能性もあります。C-反応性タンパク質は常に上昇しており、非常に高い値は症状の悪化と相関しているようです。血漿板減少およびD-dimersと乳酸脱水酵素LDH)の上昇が患者の約40%で見られます。非特異的LDHの増加、特に400 IU/mL以上の増加は、疾患の重篤な経過を示していると思われます。患者のごく一部はトロポニンの上昇も示していますが、その臨床的影響は不明です。

治療薬

 今のところ、COVID-19に対する特定の抗ウイルス治療を推奨するための十分なデータはありません。ドイツでは、いくつかの薬剤(ヒドロキシクロロキン/クロロキン、ロピナビル/リトナビル、カモスタットメシル酸塩、レムデシビル など)が治療の選択肢として考えられています。これらの使用は、個々の患者のリスクと必要性を慎重に判断した上で使用されています。

 ステロイドはウイルスのクリアランスを減らし、日和見感染症、例えば真菌感染症を促進すると思われるため、ARDS患者では日常的に使用するべきではありません。SARSとインフルエンザの研究でもステロイド治療された患者で不利益を示しました。しかし、体液や昇圧剤に抵抗性の敗血症性ショックでは低用量のヒドロコルチゾンが依然として適応されることもあります。

引用文献:

  1. Medizinische Klinik, Intensivmedizin und Notfallmedizin, 2020, 1.