とある博士のパパさん日記

今後は主に出産・育児に備えた記事を書く予定です。

5-2. 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)と下痢または味覚/嗅覚障害について

5-2-1. 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)と下痢

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による下痢の症例が増加しており、イタリアの研究者らによると、下痢の発症は全体の10.4%と報告されています。

 下痢はCOVID-19に感染した患者によく見られる症状で、症例の増加は糞便感染の可能性を示唆しています。今後は、COVID-19感染者の下痢を予防、管理、治療することも重要な課題となります。

引用文献:

  1. Clinical Gastroenterology and Hepatology., 2020.

5-2-2. 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)と味覚/嗅覚障害

 軽症から中程度のCOVID-19患者でもっとも一般的な症状は、発熱、咳、呼吸困難、痰、筋肉痛、関節痛、頭痛、下痢、鼻漏、食欲不振です。しかし、フランスの研究者らによると、軽症から中程度のCOVID-19患者の85.6%が嗅覚障害、88.0%が味覚障害を患っていたと報告しています(1)。

 嗅覚障害患者の内、嗅覚消失が79.6%、嗅覚鈍麻が20.4%と報告されています。また、嗅覚障害の11.8%は他の症状が現れる前、65.4%は他の症状の後、22.8%は同時にあらわれたと報告しています。嗅覚障害の63.0%は他の症状が改善された後も持続すると報告されています。一方、味覚障害塩味、甘味、苦味、酸味の4つの味覚様式の障害を特徴とします。

 別のイタリアの研究者らは、COVID-19における味覚または嗅覚障害患者の割合は33.9%で、入院前に症状を示したのは20.3%であるとも報告しています(2)。

 二つの文献で、COVID-19による味覚または嗅覚障害患者の割合が異なりますが、フランスとイタリアの文献ともに、味覚または嗅覚障害は女性に多いことを報告していました。

引用文献:

  1. European Archives of Oto-Rhino-Laryngology., 2020, 1.
  2. Clinical Infectious Diseases., 2020.