6-1. 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のPCR検査の精度について
中国の研究者らによると、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のPCR検査の陽性的中率は、気管支肺胞洗浄液の検体が93%と最も高く、痰が72%、鼻腔スワブが63%、線維気管支鏡による生検が46%、咽頭スワブが32%、糞便が29%、血液が1%と報告しています(1)。
つまり、COVID-19疑い患者に行われている一般的なPCR検査(鼻腔スワブ)の陽性的中率は6割程度でしかありません。この陽性的中率の低さから分かるように、PCR検査はあくまでも診断補助であり、PCR検査を過信して検体数を増やすことに大きな意味はないと思われます。
また軽症なCOVID-19患者(ウイルスRNA 10の6乗コピー/mL未満)では、呼吸器検体からウイルスが検出されなかったとの報告もあります(2)。COVID-19感染初期(感染から2週間以内)はRT-PCRで検出できないことが明らかとされており、偽陰性になることも報告されています(3,4)。
また糞便検体からもウイルスが検出されてしまっていることが重要です。これは、COVID-19が糞便経路で感染する可能性を示唆しています。
引用文献: